プレドニンをのみ始めると下血、腸内の出血は大抵止まって緩解期に入ります。普通の人は、排便も通常に戻るとお思いでしょうが、ところがどっこいそうは行きません。
いつも通り頑固な便秘、酷い時は10日以上出なかったこともあります。そして突発的な便意と下痢。この繰り返しです。
思うに潰瘍性大腸炎(UC)患者の大部分は、過敏性腸症候群も発症しているケースが多いと思います。私自身もそうでした。何しろトイレにこもって30分以上うんうん唸っても何も出ません。だからといって外に出ると突然に便意、トイレを探しますがなかなか見つかりません。やっとの思いでトイレに駆け込むと出血は無いものの泥状便が大量に出てきます。
こんな事を毎回繰り返していますから、自然といつでもトイレを探しています。トイレに駆け込めないような状況、行列に並んでいる最中や満員電車では非常に不安です。そうこうしている内に「トイレに駆け込めないような状況」になると必ず便意が襲ってくるようになります。しかもどんどん我慢できる時間が短くなってきます。最終的に私は5分も我慢できなくなりました。
他の何か気が散るような事が起これば凌げたりします。不思議と車の運転中は大丈夫ですが、渋滞に嵌るとやはり来ます。いつでもトイレのことを考えるようになってしまいます。既にノイローゼですね。
大腸内視鏡検査で見るとよく判りますが、緩解と再燃増悪を繰り返してるうちに大腸粘膜が再生不可能になってきます。そのため大腸が便をうまく運べなくなってしまいます。便が動けないために詰まってしまい、最終的に下痢で押し出すというUCの悪循環に精神的なものも加わります。「今便意が来たら困るな、どうしよう」と思うと、必ず我慢できないような便意が来てしまいます。
思い出したくないような出来事も経験しましたので、なおさら精神的に病んで来ます。鬱になる人が多いのも頷けます。私は割と楽天家だと思ってましたが、この時期はやはり鬱だったと思います。
最終的に私はリハビリパンツ(いわゆる紙オムツ)を着用しました。大の大人がこれを付けるのは非常に抵抗がありますし、屈辱的だと感じていましたので、なかなか出来ませんでした。そのためにずいぶんと苦しい思いもしたのですが、内科治療期の最後の2年ほど、覚悟を決めてエイヤっとはいてみたら、実に気が楽になりました。いざとなったら粗相ができるのですから、「今便意が来たら困るな、どうしよう」という心理になりにくくなります。
もし躊躇している方がいたら、精神を病む前にリハビリパンツを使う事をお勧めします。特に今は薄手で外からは気づかれないような製品が出てますので、[社員旅行で風呂に入る」とかでなければ、誰にも気づかれずに使用できるでしょう。私ももっと早くに使っていれば、いくつかの思い出したくないような出来事は防げたと思っています。