プレドニン(ステロイド)開始

潰瘍性大腸炎(UC)治療が始まって数年、サラゾピリン、ペンタサだけでは効果が薄くなりました。いよいよステロイドを投与する事になります。UC治療といえばプレドニン、定番薬の登場です。

基本的にはプレドニンとペンタサ、それに免疫抑制剤や整腸剤と組み合わせて投与されます。非常に危険な薬なので、今ではプレドニン大量投与の場合は入院とセットではないかと思われますが、私の場合O医師が私の休めない仕事を考慮してくれたのか、普通に通院しながらの治療を行なっていました。
今でも投与法はほぼ変わらないと思いますが、最初に50mg/1日をガツンと投与します。その後数ヶ月間かけて徐々に減らして最終的に0にします。効果は劇的に効きます。私の場合、どんなに酷い状態でも必ず数日で出血は止まりました。最初のプレドニン投与の時は、5ヶ月ほど掛けて減らし、最終的にはプレドニンを打ち切りペンタサと整腸剤だけで緩解を保たせます。緩解期も1年近くあったと思います。

プレドニンはその強力な症状改善の代償に、非常に危険な副作用を持ちます。私の場合、いわゆる「鳥目」が酷く、夜やちょっと暗い部屋だと何も見えなくなります。特に50mg投与中に夜間運転した時は、突然視野狭窄が起こり横が全く見えなくなり、えらく恐ろしい思いをしました。普通人間の目は両目で140~160度くらい視野角があるものですが、それがほぼ真正面しか見えず、その両側が虹色に光ってるような症状でした。プレドニン投与中の運転はお気をつけください。また。抜け毛が酷く、髪を洗ってブラシでとかすとずるっと抜けてくるようになりました。一時は本気で禿を心配したほどです。
関節痛も結構ありました。和室に布団を敷いて寝ていたので、起き上がるのが一苦労です。まず横を向いてゆっくり立ち上がらないと膝が痛くて力が入りません。夜間トイレに起きて転んでしまった事も数度あります。当時30代だったのに80歳の年寄りになったようでとても不安でした。
ムーンフェイスと言われる、顔がむくんで丸くなる現象は、割と誰でも顕著に出るようです。たいてい知人に「太った?」といわれますが、食欲も増進しますので本当に太る事も多いです。

その他、私には出ませんでしたが、人によっては精神障害、鬱、睡眠障害が出ることもあります。O先生はもし精神的に何かあったらすぐに来るようにと言っていましたが、幸い大きな精神的症状は出ませんでした。
ただUC自体が患者に精神的苦痛を与える病気ですので、鬱になりやすい、また軽い鬱であるケースも多いです。私も内科治療中は今思えばずっと軽い鬱であったと思います。

プレドニン投与の副産物もありました。私は十代の頃から結構なアレルギー体質で、まだそう呼ばれない頃からの「花粉症」持ちですし、尋常性乾癬という皮膚炎も常時どこかに現れています。
それがプレドニン投与中は全く症状が出ません。いつもは春先は辛い季節なのですが、プレドニン投与中は花粉症が出ないので非常に楽が出来ました。プレドニン投与が無くなった今では恋しく思う事もあります。これも依存症なのでしょうか。

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

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