確定診断

いつものように早起きしてニフレックを苦労しながら飲み干し、病院に出かけました。
O医師は非常に物腰が穏やかで、学者然とした方です。2度目のCF(大腸内視鏡)検査とあって緊張しました。最初の体験が苦しかったですし、しかも今回は悪い結果(最悪大腸癌?)も予想されるからです。

痛いの嫌だなあ・・・なんて思いながら検査用ベッドに横向きに寝て、お尻にキシロカインゼリーが塗り込められ、いよいよ入ってきます。
あれ?痛くないや。そう思う間にカメラはずんずん奥に入っていきます。大分奥で出血箇所がありました。「う~ん」などとO医師はつぶやきながら、「この辺が大分出血してますね」などとモニターをこちらに向けて教えてくれます。「少し空気を入れますね」と言われましたが、こちらも全然痛くありませんし張った感じもありません。必要最小限の量だけ入れているようです。
「もう終わります、抜きますね。」とカメラをするする抜かれてあっけなく終了。全く傷みや苦しさとは無縁のCF検査でした。上手な医師に掛かるとこんなにも違うものかと、感嘆するほどです。この後数人の医師にCF検査をやっていただきましたが、未だにO医師を超える技量の人はいません。年三千例(後に入院中看護師から聴いた話)は伊達じゃないと思いました。

ベッドで30分ほど休み、空気も入ったのでトイレでおならも出て落ち着いた頃に、内視鏡室横の机でカメラの映像のモニタを見ながらO先生から検査の結果を聞きます。
「潰瘍性大腸炎ですね。難病指定されていますので手続きをしましょう。医療費が助成されます。」
はて、「かいようせいだいちょうえん」?なんじゃそりゃ。
「大腸に炎症が出来てびらんになり、出血を繰り返す病気です。原因はまだ判っていません。長期にわたる治療が必要です。癌化して大腸がんになる場合もあります。」
う~む。青天の霹靂とはまさにこのこと。今すぐ命に関わる病ではないと言われてややほっとしましたが、この頃はまだ聞いた事の無い病気でした。マスコミで潰瘍性大腸炎(UC)が話題になってくるのはもう2~3年後の事です。
自分の病名が判ったことへの安心と、難病に罹ってしまった不安とが交錯した私の記念すべき確定診断を貰った1日でした。平成5年4月の出来事です。

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

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