二期手術を終えて

大腸全摘出手術のスケジュールも終盤に差し掛かっています。既に2回の手術を終えました。二期手術の術後経過は順調です。ただひとつを除いては。

それ以外は非常に良好な経過でした。手術翌日には歩き始めました。腸管を傷つけているので、水分はまたしてもお預けが長かったのですが、2回目という事もありそれほど辛く感じませんでした。水分再開、食事再開すると体力もめきめき回復しましたのであっという間に点滴も取れたのですが食事再開と共に問題が発生しました。

それはお尻からの「漏れ」です。元から危惧されていたことですが、自分で判断して選択した事なので仕方ありません。外科治療、特に手術は行なってしまったら後戻りが効かないという事が大前提です。これから手術を検討される方は是非「後戻りが効かない」事を最重要事項として自分にとってベストな選択をして下さい。もしかしたら、あと数年待ったら、切らなくて済むような治療法が見つかるかもしれません。完治を望めるような新薬が完成するかもしれません。こんな大変な思いをしなくて済むような治療法が出てくるかもしれません。(逆に言えば何年待ってもステロイドと再燃増悪に苦しむだけでそんなものは出てこない、という可能性もあるのです)

さて「漏れ」ですが、大きい固形物は括約筋で我慢できそうです。しかし、腸液の水分は容赦なくポタポタと漏れて来ます。どうも肛門が完全にぴったりと閉じてなく、ほんの少し隙間があるような気がします。(実際は閉じてるのですが、感覚としてそんな気持ちになっていました)
これでは紙おむつは必須になってしまいます。まあオムツ生活は別にいいのですが、この漏れて来る腸液が、皮膚に対する刺激性が非常に高く、あっという間に肛門周辺の皮膚がただれてしまいました。これは常時ひりひりと痛むので結構辛いです。酷い時は椅子に座るのも辛いほどです。

私がこれまでの経験者やネットなどで聞いた話だと、手術後しばらくすると水便は収まり、通常の生活が出来、たまに睡眠中にコロコロとした便が漏れる~くらいだったのにえらい違いです。この手術の結果には、体質やちょっとした違いによりかなり個人差があると思われます。

再手術して再度一時ストマを造設する方法もあるようです。しかし括約筋を鍛える事と、時間が経って便の水分量が減る事で徐々に改善するとK先生は言いましたし、私としても自分から言い出したことなので、ここで引くわけには行きません。それに再手術なんてもう御免です。手術にはもう散々苦しみましたから。
ですので、経過に期待することにしてこのまま手術の経過を見て退院することを選択しました。

これは今となったから言える事ですが、二期手術を半年後に延期したとしても結果は大して違いなかったと思います。私の便の水分量が減ってきたのは、最初の手術から数年経ってからであり、それも調子の良いときだけで、実際のところいまだにほとんど水分だけの便も多いのです。しかもこの数年後、私は肛門機能をほぼ失う事になるので、どうにもならなかったというのが本質です。

ですので、そもそも私に大腸全摘出は向いていなかったと言えるのですが、これも手術した後に判る事で、しかも先ほど書いたように手術した後は後戻りが出来ないのです。私はこれを受け入れるしかありません。

今、大腸全摘出手術を検討している方には今回のブログエントリーは非常にショッキングな内容かもしれませんが、これは極めて稀な私の個人的な体質や事情に起因する事で、私が話をした体験者は皆さん「うまく行っている」と仰っていた事を記しておきます。ただこういった稀なケースもあることは覚えておいて下さい。手術を選択するもしないも最終的には自己責任です。

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

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