最初の病院

紹介されたのは、杉並区にある結構大きな総合病院「K病院」でした。自宅からも自転車でいける距離で助かります。

そこで初めて「大腸内視鏡検査(通称CF)」を行ないました。前日夜は消化の良いものだけを軽く食べ、下剤を飲みます。検査当日朝からニフレックという大腸洗浄剤を2リットル飲みます。これが糞不味いの何の。量も量ですから吐き気との戦いになります。
ニフレックと聞くと潰瘍性大腸炎及びクローンなどのIBD(炎症性腸疾患)患者の方たちは皆さんうんざりした顔になるでしょう。それだけこの病気ではメジャーであり避けられない検査です。(最近ではそんなに大量に飲まなくていい薬もありますが、未だにニフレックを使い続けている病院も多いです)
ニフレックを飲み続けながら、すさまじい水便を出して腸内を空っぽにします。ニフレックは2時間で飲み切らねばなりませんが、その後に黄色い透明の水便が出てきたら準備完了です。多少のカス程度なら許してもらえる事もあります。

CF検査は胃カメラとほぼ同じカメラをお尻から入れて大腸内を目視で確認する検査です。通常は麻酔や痛み止めなどは使わず、患者派は「しらふ」で検査に入ります。腸を膨らませた方が中を見やすいので、空気をガンガン入れます。また、カメラが曲がった場所で突っかかると非常に痛いです。そしてそういう事もあり、検査医の技量によって、患者の負担が全く違う検査でもあります。
最初の体験となったこの検査、脂汗が出るような激痛との戦いでした。非常に苦しかったです。二度とこの検査は御免だとこの時は思いますが、それは覆されます。それはもう少し後の話。今回はこの検査の事だけ書きます。

しらふで意識があるまま検査を受けていますから、検査中はモニター画面をこちらにも見えるようにして、医師が解説してくれます。私の大腸内はところどころ潰瘍のような穴が開きそこから出血していました。白斑のような部分もいくつか見えました。検査が終わって少し休ませてもらった後に、診察室で所見を聞きます。

その医師の話では「大腸炎ではあると思うが、原因はよく判らない」とのこと。この当時「潰瘍性大腸炎」はまだマイナーで特殊な病気であり、医師内でも認知度が低かったのではないかと思われます。その医師は整腸剤と漢方薬(うろ覚えですが同病の方ならみんな知ってるツムラのアレだったような)でしばらく様子を見ましょう」とのことでした。
病気がはっきりして、治療が自信を持って始められるならいいのですが、この宙ぶらりんの状況は不安が増すばかり。しかし、何故かこの治療でいったん病状は快方へ向かいます。出血は減り、便通もなんとなく正常に近くなった気がします。
今考えると不思議ですが、まあ病気にも波がありますから、たまたまそれと重なって一時的に静まっただけですね。

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

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