高速道路SA/PAのオストメイト用トイレ

先週末に実家に東北自動車道を利用して行って来ました。このところオストメイト用トイレの普及が急速に進んでいるようです。以前は障害者用トイレと言えば、車椅子対応の広めのトイレで手すり付きくらいのものでしたが、ここ10年くらいに一気にオストメイト用トイレが広がった気がします。

オストメイト用トイレ
お腹に+がオストメイト対応のマーク

高速道路のサービスエリア(SA)は比較的早くからオストメイト用トイレの導入をしていた気がします。最初は大きなSAから付き始めましたが、今回いくつか休憩で利用したところ、小さなパーキングエリア(PA)にもかなり導入が進んでいました。大多数のSA/PAにはかなりの確率で付いていますので、安心感が高まりました。ただ、まだ付いていないPAもありますので注意。また「障害者トイレ」として別にあるわけでは無く、健常者も使えるちょっと広めの個室トイレなので、混雑しているSAでは埋まっている事も多いです。空いてるPAの方が狙い目かも。装備もそちらの方が新めです。

TOTOのちょっと古いタイプ
TOTOのちょっと古いタイプ

少し経験を積んだオストメイトなら誰でも使えるTOTOの旧来のタイプが付いている事が多いです。私はパウチの排出口からお湯を入れてジャバジャバ洗うのですが、蛇口がもう少し長いといいかな。シャワーはグリップのボタンを押したときだけ出るので高い位置にあっても切り替えの時に濡らす事は無いでしょう。

通常の洋式便器もあるのが普通
通常の洋式便器もあるのが普通ですが、中には和式便器と組み合わされている場所もありました(大谷PAなど)。

通常の便器(ウォシュレット付き)も備えられています。なので健常者の人もここを使います。大谷PA(上り)では洋式では無く和式便器との組み合わせでした。スペースの関係でしょうか?

オストメイト用トイレの装備
ここを広げるとトイレの前に立ち難いんですが・・・。

ここは那須高原SA(下り)ですが、持ち物の多いオストメイトにとっては物の置き場所にこれがあるのは便利です。しかし場所が・・・。これを広げると便器の前に立ち難いのでもっといいレイアウトは無かったものか。

鏡はここ?
貼り替えや洗浄を考えるとこんな離れた場所では無く、オストメイト便器の前に鏡が欲しい。姿見と勘違いしているのでは?

鏡もパウチの付け替えや洗浄に有ると便利なのですが、遠く離れた位置にあってもねえ。オストメイトに意見を聞いてないのかもね。

TOTOの新型便器
TOTOの新型便器(泉PA)

泉PAは売店すらない小さなPAなのですが、そこにも付いていました。これはTOTOの新しい方ですね。蛇口とシャワーが一体になって引き伸ばせるので便利です。これも物置の場所がいまひとつ。それとも靴脱いでこれの上に乗るの? いやいやそれにしても場所が・・・。
あと、個室内にゴミ箱が欲しいです。有る場所もありましたが無い場所の方が多いです。

今回自家用車で東北道を走ってみて、ずいぶんとオストメイトを取り巻く環境は良くなりつつあると思いました。新幹線の駅や空港にも大分オストメイト用トイレが増えました。デパートやショッピングモールにも付いているのを見ました。急なパウチの漏れにも飛び込める場所があるのは助かります。旅行中はそれが一番の心配事ですから。ちょっとレイアウト的にもうひとつな感はあるんですが、それでも無いよりはあった方がいいですし、今後も改善されていけばいいなと思いました。

アルケア ユーケアTD レビュー(その2)

現在ユーケアTD(プレカットタイプ)で過ごしているのですが、どうも私の水便では2日持たせるのはかなり厳しそうだというのが判ってきました。昨日は48時間持たせて、夕食前に替えようと思っていたのですが、タイミング悪く夕食の方が先に来てしまいました。その後、「風呂の時でいいや」と(裸になったり洗浄したりが楽)油断したのもつかぬまにパンクしてしまいました。全体に「溶け」の進行が早く、ほんの数時間が命取りになります。
特に水便だと漏れるといきなり「ジャー」と出るので、パウチ管理がこれ以上に重要になりそうです。

下は先ほど替えた約24時間経過後の面板と新品の面板を比べた写真です。(一応ちゃんと洗いましたがまだ黄色いのはご容赦を)

ユーケアTD侵食の進行具合
ユーケアTD侵食の進行具合

左が新品です。ごらんのように「溶け」の侵食が4時方向と9時方向(裏側から見てるので逆に考えて下さい)に広がっています。本日の腸の調子は普通で、泥状便と水便が交互に出てくる感じでしたので、この侵食スピードが今後の目安となりそうです。
あと12時間程度は持ちそうですが、24時間はちょっと無理に見えます。36時間で交換というのがパンクさせないための当面の目安となりそうです。

もうひとつ問題点があります。ごらんのように皮膚との接着部分が溶けてくるので、そこの隙間に消化液が入り込んで皮膚を荒らしてしまいます。今回もストマ周りの痛みによって張り替えを決断しました。皮膚はやはり赤くただれ掛けていましたのでパウダーを振ってから新しいパウチを装着しましたが、痛みがあるのにまだ漏れないからと交換を引っ張るのは禁物なようです。

う~ん、やはりこの点ではコンバテックの方が優秀です。コンバテックは「溶け」が始まっても隙間が空きにくい素材で出来ています。皮膚との接着力は落ちるのですが、面板は水分を含んでむしろ膨らんできます。ですので、消化液が入り込み難いのか、あまりこの段階での皮膚荒れは起こりませんでした。
お互い一長一短ですね。どちらの長所も兼ね備えた優秀なパウチが出来ないものでしょうか。

アルケア ユーケアTD レビュー

前々回に書いたように、アルケアのユーケアTDを注文しました。30ミリのプレカット(予めそのサイズの穴が面板に空いていて自分でカットせずに済む)タイプです。業者と相談の上、これまで使用してきたコンバテック バリケアナチュラと併用して使っていく事になりました。こういう点でも複数のメーカーを扱っている業者の方が色々と融通が利くので何かと便利だと思います。数年前まではコンバテックの直販を使っていたのでこういうやり方は出来なかったでしょうから。

ユーケアTD

既に数回使用してみたので感想も含めてレビュー的に書いてみたいと思います。
まず、ワンピースであると言う点と交換目安が2日の製品である点が特筆すべきことです。これまで比較的長期(5~7日)型の製品を使ってきた事もあって、途中でパウチを外してパウダーを振ったりするメンテが行なえるよう2ピース(面板と袋が別)が私の必須条件でしたが、今回は非常に短期のタイプなので2ピースである必要が無いのです。
1ピースと2ピースでは価格が大幅に違うので、価格の安い短期の1ピース型をどんどん取り替えていくやり方もアリでしょう。オストメイトにとってパウチの貼り替えは非常に面倒な事で、できるだけ長期型を使ってその回数を減らしたいと言うのがこれまでの私の考え方でしたが、このアルケア ユーケアTDを使ってみると、交換が非常に簡単にすむ事もありその負担は非常に軽い事に気づきました。古いものを外してストマ周りの皮膚を綺麗にしたらペタリと貼り付けるだけで完了です。

ユーケアTD 取り付け面側
ユーケアTD 取り付け面側

面板がとても柔らかく、お腹の曲線に綺麗にフィットしてくれます。これまでコンバテックの固い面板(しかも凸型)を使って力業(?)でお腹に食い込ませて使ってきたのですが、それと全く反対の考え方になります。粘着力も十分で、メディカルテープやパーミロールで補強しなくとも剥がれるような事はありません。

ユーケアTD 表面
ユーケアTD 表面

袋は一部サイズを除いて透明のものしか用意されていないようで、ちょっと家族には余り見せたく無いです。コンバテックのようにベージュの不透明のものがあるといいのですが。
ただ、透明である事によって面板の「溶け」が装着したまま判断しやすいと言う点はあります。この面板は穴の内側から徐々に解けていきますのでそれが縁に進む前に交換しなければなりません。それが判別しやすいと言うメリットがあります。

脱臭フィルターも付いているのですが、これは私のようなイレオストミーの水便では一発で詰まります。ですので、ガスの抜けが悪くなったらパンクに注意しなければなりません。この点はコンバテックよりも詰まりやすく感じました。フィルターは私の使った中ではコロプラストが一番ですね。
袋の容量もコンバテック バリケアナチュラに比べるとやや少なめに感じました。小まめに排出した方がいいようです。

ユーケアTD 取扱説明書
ユーケアTD 取扱説明書

箱の中身はパウチ10枚の他、ストマサイズを測るための目盛りの付いた透明プラスチックと取扱説明書が入っています。さすが国産品で図の入った丁寧なマニュアルです。まあほとんど読みませんけどね。

イレオの私での面板の「持ち」ですが。比較的調子の良い「泥状便」の時で2日。完全な水便だと1日半程度しか持たないことが判りました。面板が尽きるとすぐに漏れが始まるので外出時は注意が必要です。ただ、先にも書いたように非常に貼りやすいので、ウェットティッシュなどを予め用意してあれば、外出先の洋式トイレの中でも十分に張替え可能だと思います。替えのパウチもかさ張らないのがいいですね。コンバテックの2ピースだと1セットしか入れられない私の替えパウチケース(確か以前コンバテックからサービスで貰った)に楽々と4枚以上入ります。

やはり1~2日でガンガン交換せねばなりませんが、価格がコンバテック2ピースの1/4以下(370円/1枚)なので、コストを考えると却って安くなりそうだというのも前々回に書いた通りです。まだ使い始めたばかりなので、乗り物の中での安心感はコンバテックの方がありますが、最近長時間車に乗るとめっきり漏れやすくなってしまったコンバテックと比べると、座ったり立ったりするお腹の皮膚の変化に追従しやすそうなユーケアの方がむしろ安全なのかもしれません。来週自家用車で東北まで行くので、これを試してみようと思います。そして当分これとコンバテックの併用を続けてみようと思います。

手術後最初の内視鏡検査

遥か昔の発病後から、最低でも年に一度は内視鏡検査をしています。今回は昨年6月の手術の後、最初の内視鏡検査になります。
私の場合、大腸内視鏡(CF)と胃カメラ(GF)を一度に行ないます。通常はこの二つは同日に行なえません。GFは当日は水分を含めて絶食する必要があるのに、CFはニフレックなど腸内洗浄を経口で行なうからです。しかし私は人口肛門の身。お尻に便は流れて行きません。大腸すら無いのであの糞不味いニフレックで前処置しなくとも良いので絶食だけで両検査とも同時に行なえるわけです。

とは言うものの、昨年の手術で永久人口肛門化し、肛門機能は既に無く、数センチの深さの穴が空いてるだけなわけです。CFなど大げさにしなくとも、カンシでも使って広げて見ればいいだけのような気もしますが、内視鏡使うんですね。(内視鏡の方がよく見えるとのこと)
早速当日、予約は午後からしか取れなかったので、前夜20時以降絶食、当日朝8時以降は水分も取れないので午後1時開始にはちょっと辛さもあります。

内視鏡室
内視鏡室

自家用車でM病院に到着。本来検査に安定剤希望の患者は運転して帰れないのですが、毎度の事なので検査後2時間以上休んでから帰るという条件付で私は許されてます。今回も検査後は食事を取ったりして車内で寝てから帰ります。

1時ちょうどに内視鏡室内に呼ばれます。血圧を計った後に胃の中の泡が消えるという液状の薬を飲まされます。血圧は87しか無いです。相変わらず低いですねー。看護師さんに呆れられます。
下だけ全て脱いで、お尻に穴の空いた検査用の半ズボンを履かされて用意が出来るまで一時待機。とここで入院患者の緊急の検査が入ってしまいました。私の前に割り込まれます。私はカーテンで仕切られたベッドで30分ほど待たされてしまいました。ペナペナの検査着なのでちょっと肌寒いです。予約検査なので時間通りにサクサクとやって欲しいのですが、仕方ありません。もし私が急な様態の変化で検査をしなければならないとしたらこのように先にやって欲しいですからお互い様です。(病院のこの暗黙のルールを理解できずに怒り出す患者をたまに見かけます-特に年配の男性)

その患者の検査が終わり、やっと私が呼ばれます。私の主治医K先生は内視鏡室長も兼ねているので、K先生にやってもらうことも多いのですが、今日は知らない先生です。「よろしくお願いします」と言ってベッドに横になります。我ながらもう何十回とやっているので緊張も無く慣れたものです。
先に書いたように私は安定剤希望です。結局検査中は薬が効いて寝てしまうのですが、何よりリラックスできますし、GFの苦しさを味合わずに済むので毎回注射してもらっています。
「パウチの替えは持ってます?」と看護師さんに訊かれます。「持ってますよ」と答えます。これを訊かれると言う事は、ストマから入れて小腸側も診ると言うことです。

検査が始まります。安定剤を打たれてポワ~ンとしてきます。昔は検査前半までは起きていられたのですが、最近は何故かすぐ寝ちゃいます。なのでどちらの検査を先にやったのかも覚えていません。気が付いたらもうベッドの上です。多分自力で看護師さんに支えられながらベッドまで移動してるはずなのですが、その記憶は全くありません。多分検査後30分は寝ていたと思います。看護師さんに起こされて着替えをして終了です。

検査後今回はCFの診断結果が書かれたものを渡されました。肛門部とストマ、両方とも問題無しとのことでホッとしました。ストマは例の横穴、肛門は手術後時々ピンク色の液が出てくるので腹内にまだ通じているのではないかと心配してましたから。
GFも含めて詳しい診断結果は再来週のK先生の診察日まで待たねばなりませんが、2週間以上放置されると言う事からも、特に急を要する異常は見つからなかったと言う事でもあります。
フラフラしながら会計を済ませて全て終了。もう午後3時、さて朝から何も食べていないので食事をします。病院向かいにショッピングセンターがあるのでそこで食べました。今日はロースカツとカキフライのセット。ちょっと豪勢ですが、まあいいでしょう。

ロースカツとカキフライ定食
ロースカツとカキフライ定食

食後、駐車場の車の中で1時間ほど寝ました。検査後2時間を待って自宅に帰ります。帰ってからまた寝ます。この検査は結構疲労感が伴います。起きるともう夜の8時、家内が作った夕食をここで食べるのですが、う~ん、喉が痛い。カメラが当たった後遺症ですがGFの後はいつもこうです。トローチも貰ってきているのですが余り効かず、結構グリグリとした痛さで閉口します。寝てるのをいいことに結構乱暴に扱われているのかしらん。

アルケアのワンピースパウチ、ユーケアーTDを使ってみる

あけましておめでとうございます。
昨年は山あり谷ありでしたので、今年は穏やかに一年を過ごしたいと願っています。

どうも昨年の11月頃に、かなりストマ周辺の皮膚を荒らしてしまった事が原因なのか、あれほど安定して6日ローテーションを保ってきたコンバテック「デュラヘーシブナチュラ」がバシバシ漏れるようになってしまいました。漏れる場所は再手術後からずっと懸念している5時方向で、下手したら1日で漏れが始まってしまいます。特に自動車で出かけて長時間座っていると漏れることが多いように感じます。
一旦漏れるのが癖になってしまうと、その場所の皮膚も消化液でただれてしまうので、さらに漏れやすくなると言う悪循環。予定した日数でローテーションできないとなると、高価なデュラヘーシブナチュラが仇になってパウチに掛かる費用がどんどん膨らみます。年末に書いたように年を越せるかどうかのパウチ不足に陥ってしまったわけです。

幸い手持ちのサンプルパウチ等を総動員してどうにか次の給付券まで繋げた訳ですが、今後もこの調子では困ってしまいます。年明けから今のところどうにか5~6日で持たせていますが、いつまた漏れが再発するか心配です。

昨年7月から、H病院のU看護師が行なっている「ストマ外来」に定期的に通っているのですが、今日2ヶ月ぶりくらいに行ってこの件を相談してみました。
「痩せたんじゃなーい?」などと言われましたが、全然体重変わってないよ(笑。
「わたし今年からダイエット始めたんだよね~」「えー全然痩せてるし必要ないじゃん」
等と軽口から始めて、いつものようにストマの具合を見てもらいます。

ストマ周辺の皮膚はやはり4-5時方向で少しただれています。パウチを外したまま座る格好になり、皮膚の皺の具合を確認してもらいます。U看護師の見立てだと、そのいつも漏れる辺りで皺が寄ることに加えて、座る体勢になるとその辺りが窪んでしまう事によって粘着が剥がれやすくなるようです。
「別のパウチ試してみない?」とUさんが持って来たのがアルケアのワンピース。
「短期で交換するタイプなので皮膚に優しい」とのこと。アルケアは国産なので、日本人の皮膚にも合ってるのです。コンバテックは長持ちするのはいいけれど、粘着力が強すぎて皮膚が荒れやすいのではないかとのこと。また漏れが始まっているのに気が付かず、余計に皮膚に負担をかけているのかもしれないので、少し短期で交換して様子を見たら?と提案されました。

なるほど、しかもこれ安いんです。2日しか持たないけど1枚370円。コンバテックの今使っているタイプの6日間(持ったとして)のコスト1,754円に比べて同じ6日間のコストは1,110円に下がります。これくらいの値段ならバシバシ交換してもいいし、もともと2日しか持たないのですから。
ひとまずその提案に乗ってみましょう。で、今回は持ち込んだコンバテックでは無く、病院のユーケアに張り替えてもらいました。お土産?としてもう1枚貰ってきました。これはフリーカット(自分でストマサイズに合わせて切って使う)ですが、プレカットのタイプもあるので、ひとまず10枚注文してみます。給付券を使う場合は途中で業者を変えるのは手続きなど色々厄介なのですが、幸いにして私がお世話になっている業者はアルケアもコンバテックも扱っているので、多分大丈夫でしょう。
アルケアは長期に使うのは初めてです。ちょっと排出が慣れてなくてやりにくいですね。短期のパウチと長期のパウチを組み合わせて上手くコントロールできればいいのですが。

アルケア ユーケアTD
アルケア ユーケアTD