プレドニン投与だけでは長期の緩解を得る事が出来なくなり、G-CAP(白血球除去療法)も試しましたが思うような結果が出ませんでした。O先生ともう一度G-CAPをやるかどうするかを話し合いましたが、その時にテレビで観た「大腸全摘出手術」の事を訊いてみました。(L-CAPはまだ開発中で間に合いませんでした)
テレビでは最近保険適用が始まった最新の治療法で、根本的に潰瘍性大腸炎(UC)を直す事が出来(患部である大腸全体を取り除くので当然)、予後は皆さん良好で普通の排便を行う事が出来(夜間多少の漏れはあるらしい)、プレドニンなど危険な薬をこれ以上投与する必要も無くなり、ほぼ完治と呼べるほどの夢の治療法のように紹介していました。患者会でもある程度の情報を得て、満を持しての希望でした。精神的にもかなり追い込まれていたので、いちるの望みにすがる思いも大きかったのです。
O先生もその手術の事は良くご存知で、私なら難治として適用になること、H病院でも既に必要機材を揃えているので手術が可能な事、希望すれば都内の有名病院への紹介状を書いてくれる事、などを話し、「手術という事で後戻りできなくなるが、希望するのであればやってみた方がいい」との事でした。止められるかと思っていましたが、結構乗り気で驚きました。
当時行われていたのが、まず大腸全摘出手術と人口直腸ともいえるJパウチの造設、一時人工肛門の造設手術を行い、二ヶ月ほど入院看護を受けながら体を慣らし、人工肛門を閉じて肛門から排便するようにします。
ケースによっては最初の手術で落ち着いたら一度人工肛門のまま退院し、便の状態が良くなったら再入院して二度目の手術を行なう方法、全部を2回では無く3回の手術に分ける方法などがあり、病院の方針や術後状態によって色々あるようです。
私は会社から長期の休みを取る都合もあり2ヶ月入院で2度手術をする手法を希望していました。(テレビもそのパターンだったと記憶しています)
数度O先生と話し合い、私が希望する方法で手術をすることにしました。病院は転院せずそのままH病院で行う事にしました。UC治療で有名な病院へ転院する事も考えましたが、遠い病院になってしまうと週に数度来なければならない家内に大きな負担がかかること、もちろん交通費含めて家計にも大きく響きます。ちなみにH病院では4例目との事でした。初めての手術だと言うなら躊躇しましたが、4例目なら少し慣れて大きな問題も起こり難いだろうと言う読みもありました。
とんとん拍子に話が決まり、2002年の5月に入院、7月に退院予定というスケジュールで動き始めました。日韓ワールドカップは病院内で観る事になります。