中心静脈栄養(IVH)始まる

手術は三日後ですが、血液検査での栄養状態が悪いため(飯もまともに食べて無いですしね)、その改善を行なうと今回の手術の主治医であるKb先生から言われていました。なにやら首からチューブを入れて静脈に直接栄養を流すとのことです。
「ああ、あれね。」もちろん知ってます。潰瘍性大腸炎(UC)患者ならおなじみIVH(中心静脈栄養)です。UC治療では全大腸に増悪が広がっったら絶食してこれを行うのが一般的のようです。何故か私、長期にUCを患ったくせにIVHを一回もやったことが無いのです。これが初の体験になります。

IVHは点滴の一種なのですが、首の静脈から差し込み、心臓に近い位置まで管を伸ばすと言う方法なので、通常の点滴のように病室のベッドで看護師にやってもらうと言うわけには行きません。ちゃんと医師によって作業が行なわれます。私の場合、処置室で副担当のS先生が行ないました。

まず、ベッドに横になり、手術のように首の差し込む位置以外をシートで覆います。顔も覆われるので作業を見ることはできません。
次に首の周りに局部麻酔が打たれます。そして(多分太い)針を首に刺されるのですが、痛みは麻酔のためにそれほど無いのですが、体は仰向けのまま首を90度左に向ける体勢を作業の間続ける事が50代の私にとって相当に苦しかったです。50肩の時だったら恐らく無理だったでしょう。
針を刺してからの作業は15分程度で終わります。最後に首に刺さっている管が動かないように、頑丈にテープで固定して終了です。

これで準備完了、これもUC患者にはおなじみ高カロリー輸液(あの黄色いパックですよ)を1日1000mlを2本ガンガン入れて行きます。これを行なうことにより血糖値が上がるため、1日数回血糖値を計り、値が150を超えた場合インシュリンを打たれます。

点滴があるからといって何も食べないわけではありません。普通に食事も出ます。もうストマパウチのパンクが心配だからと言って食べないわけには行きません。栄養状態が悪いままだと手術が延期されてしまいます。退院もそれだけ延びるのですから、不味かろうがなんだろうが無理してでも完食します。
幸いにして、Uナースの尽力により、パンクはほぼ収まっていました。これにより安心してたくさん食べることが出来ました、ありがとう。

もうひとつ、食事以外に経口でも栄養を取らされます。これも私は初体験ですが、UC患者にはおなじみエレンタールです。

エレンタール
これがエレンタール

ボトルに粉がセットになっていて、水で溶いて飲みます。そのままだと相当に不味いので、フレーバーを足して味をつけて飲みます。フレーバーは色々、レモン、オレンジなど定番っぽいのから、コーヒーやコンソメなんてのもありました。私はコーヒーがお気に入りです。不味い不味いと巷で聞いていましたが、きっちり冷やして飲む分にはおいしいとは言えないまでも普通に飲むことができます。こんなのニフレック(大腸洗浄剤)に比べたら屁でもありません。
フレーバーの味についてはその内書いてみます。全種類試したわけではありませんが、個人的な意見として感想のメモを取っておきました。

この頃同じ病室に若いUCの患者が入ってきました。H病院も今ではIBD専門の医師がいて、最新の治療をしているようでした。この後L-CAPを行なうようです。私のように「何でも食べていいよ」なんてことは無く、プレドニンとエレンタールを飲みながら絶食しているのを傍で見ながら「ああこの病院も常識的な普通の治療をするようになったんだなあ」と思う反面、「若いうちから食べたいものも食べられずにかわいそうだなあ」とわが身と比較して不憫にも思います。
ただ、私もそのような厳格な治療を初期段階から行なっていれば、あんなに早く手術に踏み切ることも無かったのかもしれません。でも終わった治療に「たら・れば」は禁物です。時間は戻せないのですからそんな後悔をしていたら不毛過ぎます。

兎にも角にも3日間ガンガン栄養を取って(前日夜からは絶食ですが)手術に備えます。一体1日何千カロリー取っていたのでしょうか?

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

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