肛門周囲膿瘍

M病院に転院してからしばらくして、体に異変を感じました。お風呂に入っている時に気が付いたのですが、股間の左足の付け根、陰嚢の後ろ辺りにウズラの卵くらいのしこりを発見したのです。触っても特に痛くはありません。気にはなったのですが、予約診療の日はまだ先だし、様子を見て問題が出て来たら病院に行こうと思っていました。

数日後、朝起きて異常に体がだるかったのを覚えています。そして股間に違和感と痛みを感じました。触ってみるとあのしこりが鶏の卵くらいに膨らんでいました。体調は劣悪で立っていられないほどです。体温を計ったところ40度近くありました。
愕然とし、これはすぐに診てもらわなければ危ないと素人目にも判断出来ましたが、あいにく家内は仕事で外出中、体調はどんどん悪くなっているように感じましたので、家内を数時間待つことも出来ないかもしれません。救急車、と頭をよぎりましたが、今ならまだ自分で運転してM病院まで行けそうです。意を決して車に乗り込みM病院を目指しました。

股間に卵大の腫れがあるので、車のシートにちゃんと座れません。斜めに座ってなんとか病院に到着。幸いにしてK先生の外来日でしたが、予約無しなので診療は最後に回されるでしょう。多分お昼過ぎになると思われますが、2時間近く耐えなければなりません。

これまた幸いな事に、その日の予約は割と少なかったのか1時間ほど待ったところで名前を呼ばれました。もしかしたら割り込ませて貰えたのかもしれません。まだすいている頃のM病院でしたから今ではこうは行かないでしょう。
K先生は私のその腫れを一通り見て、またあちこち押してみた後(痛いよ!)「ああ、これは肛門周囲膿瘍だね」「膿がかなり溜まってるから切開手術しなきゃ」「このまま入院だね」との事。
うわあ、緊急入院かあ。何の準備もしてきて無いので取り急ぎ家内に事の次第と入院の準備を頼みます。翌日様子を見て切開する事になりました。

その晩は抗生物質を飲み、点滴をしながら病院のベッドで一夜を過ごしました。翌朝、熱も37度台になり、腫れも少し小さくなっていました。K先生が回診に来て、「あーこれなら今切らない方がいいんじゃないかな、穴開けちゃうと痔ろうになるかもしれないから」と言いました。
肛門周囲膿瘍は、直腸や肛門の内側から雑菌が入り膿が溜まります。ここで外側から切開すると、内側と穴が通じてしまい痔ろう化する恐れがあると言う訳だそうです。せっかく入院したのですが、もう一晩様子を見て翌日退院となりました。2泊3日の単に点滴しただけの入院でした。

退院日、体温は平熱まで下がりました。ちょっと不安でしたが、抗生剤で様子を見て、何かあればすぐ来るようにと言われての退院です。次の外来診療は1週間後に予約出来ました。
退院後は抗生剤が効いたのか、卵大だった腫れは半分近くまで小さくなりました。このまま小さくなって消えてくれればよかったのですが、数日後買い物に行くのに自転車に乗ったのが運の尽き、パンツとジーンズを真っ赤に汚して肛門周囲膿瘍は破裂してしまいました。

痛みも無く腫れ自体も消失したのでまだ残っている抗生剤を飲みながら次の予約日まで待ってM病院に行きました。
K先生は「あー潰れちゃった?」「まーそれはそれで、そのまま直ってくれればいいだけだから」「自転車乗ると潰れちゃうんだよねえ」とニコニコ嬉しそうに患部を見ています。私としては自転車は禁止と言われなかったので乗ったまでです。潰れた事で早く治るのはいいんですが、果たしてどうなるんでしょうか?
後日不安は的中します。

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

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