痔ろう根治手術(二回目)

陥没ストマのために多少便漏れが肛門からあるのが気がかりですが、スケジュールに従って二度目の痔ろう根治手術を受けることにしました。今回はM病院では無く、K先生に紹介された隣県にあるT肛門病院です。私の住んでる地域の私鉄駅のホームには大抵この病院の看板がありますので、地域では結構有名な病院だと思います。痔ろう手術は経験の豊富な専門医が望ましいのであれば、一回目の手術もこういう医療機関を勧めてくれればよかったのにとも思いました。

自宅から鉄道で行くと2回乗換えでかなり遠回りですが、自家用車ならほぼ一本道で30分程度で着きます。早速紹介状を持って受診しに行きました。
古い建物の外来は独特の感じで、診察室のドアが5つほど並んでいます。もちろん全て肛門科ですが、患者はその前に一列に並び、自分の名前が呼ばれたドアに入っていきます。中に入ったらすぐに診察室ですが、5つほどに分れた診察室は中では繋がっており、パーティションで区切られているだけなので隣の診察の会話がもろ聞こえなのはちょっと困りますね。すぐにズボンとパンツを下げて診察用ベッドに横向きに寝かされます。
まあ大体のことは紹介状に書いてある訳なので、ちょっと患部を見たらもうズボンを上げて椅子に移動し、「いつ手術が良いですか」となります。

決まった事は、今回は再発の可能性が高い「括約筋温存手術」では無く「開放法」で行う事になりました。私の場合かなり深い複雑痔ろうなので括約筋をバッサリ切ってしまうと、術後の回復が長期にわたる事に加えて、肛門機能に(便漏れなどの)後遺症が残る可能性もあるのですが、既に人口肛門化していると言う事で、一度の手術で完治が見込める開放法の方が望ましいと言う事になりました。
開放法は以前行なった「括約筋温存手術」とは違い、本当にバッサリ肛門と痔ろう部分を切り開いてしまうので、肉が再びくっつくのに数ヶ月を要しますが、患部は全く残らないので再発の可能性はほとんどないというのがメリットです。局部麻酔で行い、入院期間は1週間です。

早速入院して手術。手術自体はものの10分くらいで終わります。外来も手術もまるでベルトコンベアーに乗せられたように次から次へと行なわれるのは肛門専門病院の特徴なのでしょうか? 手術後執刀医がカメラで患部を撮って、それをその場で見せてくれるのですが、哀れ私の肛門は拳が入るほどぱっくりと割れて広がってしまいました。結構ショッキングな写真でした。

術後は痛み止めを飲みながら患部に当てているガーゼを頻繁に取り替えていきます。やはり少しストマから肛門への便漏れが少しあり、切った後が便で汚れるのが気になります。しかも古いこの病院のトイレは昔の学校のトイレレベルで、ウォシュレットも無いどころか和式なのです。なので患部をいつでも清潔に保つ事ができません。これには困りましたが携帯ウォシュレットを使ってどうにか凌ぎました。

食事は腸管を切ったわけでは無いのですぐ始まります。病院食としてはH,M病院とは雲泥の差で、かなりおいしい部類だと思いました。
退屈な入院生活でしたが、ちょうど近くに自衛隊基地があり(知ってる人にはどこの病院かすぐ判りそうですが)、飛行機好きの私としては着陸態勢の自衛隊機を毎日見ることができて楽しかったです。

長期の入院を何度も繰り返している私にとっては、あっという間に退院です。と言っても患部はまだぱっくりと開いたままです。帰りにガーゼを買って行き、自宅で患部のケアをしていかねばなりません。
患部に漏れてくる便が沁みますが、あれだけ大きく切開した割にはそれほど痛みはありません。自宅に帰って初めて大きな鏡でまじまじと患部を見ましたが、気の弱い人なら結構ショックなほど大きく切開されています。果たして元通りになるんでしょうか? 私としてはこのまま一生人口肛門の方が楽だと既に腹の内は決まっていましたが。

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

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