手術後二日目~

術後2日目くらいになると意識もはっきりしてきて体も大分楽になります。全身麻酔手術って結構後に残ると言うか、自分ではその時ちゃんとしていたつもりでも、後になって考えたら意識がぼんやりしていたりします。人によっては変な事を口走ったり、暴れたりする事もあります。長い入院生活では何度かそういう人を見ました。一番凄かったのは、向かいのベッドの人が手術後の夜に急にむっくり起き上がって、どうやらタクシーに乗って誰かと言い争いをしているようでした。最終的に点滴自分で抜いてベッドから落ちたので(術後なので自力で立てるほどでは無かったのが幸い)、私がナースコールで看護師を呼びました。

やっと口をゆすぐのが許可になりました。でもまだ飲めません。でもゆすぐだけで口の渇きが取れ、楽になります。飲みたい衝動を抑えるのは苦しいですが。3日目にお水は許可になりました。食事はまだ先です。
5日目から流動食が開始になりました。その後1日ごとに3分粥、5分粥、全粥となり、最後は常食になります。常食とは言っても低残査食指定なので、油物や乳製品、繊維質などはほとんど出ません。ただ、食事が始まるのは嬉しいものです。

2日目から体を起こす練習をしましたが、血圧が低く起こしたとたんに貧血で倒れてしまいます。3日目でもまだ駄目で、ベッドから降りるのは4日目でした。それでもまだ歩く事は数歩が限界。5日目にやっと少し歩けるようになり、排尿のカテーテルを抜いてもらったのですが、今度は排尿困難に陥り、毎度導尿してもらう羽目になりました。30代時に尿道狭窄で内視鏡手術をしたのですが、一部尿道が狭くなっている場所があり、そこが悪さをするようです。この排尿障害はこの後も手術の度に私を苦しめるようになります。
この当時は看護師さんに「歩け歩け」と言われるだけで、何の回復プログラムもありませんでしたので、自分でただただ歩きます。最初は十数メートル離れたトイレに行くだけでぐったりです。看護師さんが補助してくれるのも最初の数回だけなので、今考えると結構危険です。

2日目にはポータブルのレントゲンの機械が病室までやってきて、下半身のレントゲンを撮っていきました。その後は一週間置き程度にレントゲンを撮っていきますが、それは1階のレントゲン室まで行かねばなりません。最初のうちは車椅子で連れて行ってもらいましたが、その後は自力で「レントゲン室から呼ばれてるのでibdlifeさん行ってきてー」と看護師さんに言われて歩きで行きます。

毎日朝の回診で傷の消毒とドレーンに溜まった液を抜いてもらいます。術後の経過は比較的順調でした。十日ほどで抜糸になりました。
回診は主治医ではなく当番の外科医が行ないます(主治医が当番の時もあります)。H病院は当時は消化器のT先生が理事長だったので、毎週月曜日には大学病院の教授回診よろしくT理事長が全消化器外科医を引き連れての回診を行います。
私は膝下までむき出しにされ、何人もの先生が見つめる中、主治医のK先生がT理事長に経過と今後の治療方針を説明します。今は無くなりましたけどねこれ。

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

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