患者会に入ってみた

G-CAPで入院していた頃、H病院は割りとフランクな雰囲気で、看護師さんが色々相談に乗ってくれたのですが、病気の様々な情報を得るのに現在ほど豊富な情報がネット上にあるわけでは無く、書籍に関しても情報の鮮度を考えるとちょっと微妙な感じだと話していたら、患者会に入ることを勧められました。
看護師長さんが、申込用紙など資料を手配してくれて、退院後に早速申し込んで入会しました。多摩地区のIBD患者会で、当時最も活動的だったのではないかと思います。(今ではここが東京全域の患者会になっているようです)

2ヶ月に1回程度の開催で、毎回2~30人ほどが集まります。内容はテーマを決めてのディスカッションと雑談ですが、話題は食事療法や治療法、民間療法やよく聞く健康食品の話題でした。
ここで初めて私の食事制限が無いというのが異端な治療法だと言う事を知りました。プレドニン50mg服用しながらカツ丼やカレーを食べてると言うと一様に驚かれます。
当時「広島クリニック」が話題になり始めた時期で、その是非や効果のほどは皆さん興味があるようでしたが、地理的に遠いのがネックで(でも確か2~3人やってる人がいたと思う)金銭的負担を考えるとさすがに誰もが受けられる治療ではないと思いました。

健康食品ではヤクルトミルミル(一時期ビフィーネMに名称が変わってましたが戻ったようです)が効くとか、ビール酵母がいいとか、私もミルミルは結構飲みましたし、患者会で貰ったパンフレットからビール酵母も買ってみました。あまり目に見える効果はなかったかな。
「お腹に優しい」とかのレトルト食品のサンプルなども貰って食べてみましたが、病院食とそう変わらないのでおいしいとは言い難かったです。

既に40歳近かった私は、患者会内でも年配の方でした。患者の家族(両親など)の入会者も割りと多くて、ディスカッションや情報交換でも熱心にメモを取っていました。

皆さん自分の病気を治すことに執着が凄く、割とのんびりどうにかなるさの私は異端です。どなたも都心の有名な病院の有名な先生に通っている方がほとんどで、私のような郊外の無名病院の患者はいませんでした。それらの有名な先生はセミナーなども開催していて、その情報なども患者会で得る事ができます。
有名病院で治療されてる方は、無名病院での治療をちょっと下に見ている方が多く、また同じ主治医の人たちがグループを作りがちなので少し悲しい思いをすることもありました。
まあ「そんな治療法は駄目だ」と言われても、結局結果があまり良くなかったので、今となってはまあその通りなんだろうなと思いますけどね(苦笑。
完治したと豪語してる人もいました。潰瘍性大腸炎(UC)の「完治」ってありえることなんでしょうか? 医学的には長い緩解期じゃないかと思うのですが、一生再燃しないのであればそれは幸せな事ですね。もちろんそんな方は患者会内でのヒーローです。皆がその人の話を聞きたがります。どんなものを食べて、どんな治療を行い、どんなサプリメントを飲んだか、どんな生活法なのか。数ヶ月で再燃を繰り返す私にとっては夢のような事です。しかし全く同じ事をしても、全員が同じ結果にはならないのがこの病気の難しいところです。

しばらく入ってましたが、会全体の雰囲気に馴染めず、また私が主目的としていた大腸全摘出の効果や術後の情報も得られたので、退会してしまいました。
当時始まったばかりの大腸全摘出された方も数人居られましたが、皆さん経過も良いとの事で、私も期待を持って臨む事が出来ました。経験者に直接尋ねるなんて患者会にでも入らないと無理ですしね。

患者会の是非ですが、向く人は向くし向かない人は向かないと思います。社交的かどうかはあまり関係なく、その会の雰囲気が重要だと感じます。でも、生の鮮度の高い情報が得られる事は確かです。有名医師の講演を聴きに行くのも貴重な経験だと考えます。効くと噂の健康食品のサンプルも貰えたりしますし、バーベキューなどの食事会もあります。
長く続けるかは別問題として、一度入ってみるのもいいんじゃないかと思います。

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

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