当時から、潰瘍性大腸炎の治療の一環として食事療法はよく言われていました。あれが良い、これは良くないなど、後で入る事になる患者会でも情報交換の中心はよく効く民間療法と食事の内容でした。
特に増悪中は中心静脈栄養(IVH)とエレンタールでしのぎながら絶食するという事が当時から行なわれていました。
しかし、私は全くそのような事をしたことが無いのです。当時の内科治療での主治医O先生は食事制限を行なわない方針で、むしろ栄養の偏りや栄養失調を心配されていて、「何でも普通に食べて結構です」と言われていました。
私や料理を作る家内にとっては、非常にありがたい治療方針で、食べるものについて悩む必要はありませんでした。ですので再燃増悪中下血があっても入院治療はせず、普段通りトンカツやカレー、乳製品やラーメンも食べていました。おそらく今治療中のUC患者の方々にとっては驚愕する食事内容だったと思います。これは10年に渡る内科治療を通して変わることがありませんでした。
最近H病院に入院して、若いUC患者と同室になりましたが、今はIBD専門医がいて増悪した患者には絶食治療をちゃんと行なっていました。何も制限が無かった私からは、何日も食事が出来ないのは不憫だと傍で見ておりましたが、考えようによってはこの食生活が災いして早期に外科治療に踏み切らざるを得なかったという可能性もありますので、どちらが良いかは素人の私には判断できませんが、精神衛生上は食べたいものを食べられた事は幸せだったと思っています。
ちなみに油物や乳製品、繊維質、アルコールや炭酸飲料などUC患者に良くないとされているものは数多くあります。正直毎日素うどんをすすってないといけない様な食生活になります。私は全て普通にそれらを食べていました。今治療中の方は反面教師として捉えて下さい。今のH病院が絶食治療を行っているのがその理由です。