14年ぶりにH病院へ入院(その1)

K先生の転院以降ずっとM病院に通っていたのですが、今回の手術で家内に付けられた条件が、自宅に近くて通いやすいH病院での手術でした。K先生に相談したところ、「系列病院だし、カルテも共通だし問題無い」との事。私としては信頼しているK先生(既に副院長にご出世されてます)の管理下で手術をしたかったのですが、家内の条件を飲まないと手術承諾書にサインしない(本人と保証人[家族]のサインが必要です)と言うので仕方ありません。

H病院に入院するのは大腸全摘出手術以来ですから14年ぶりです。途中泌尿器科の外来で数度来た事がありましたが、建物はそのままにせよ大分違って見えました。
何より空いています。私が通っていた頃は、人人、また人で混みあっていて、予約外来でも1時間以上待つのがざらでした。さらに会計でも1時間近く待つので辟易していました。「いつまで待たせるんだ!」と怒り出してる患者さんも多かったです。
それが、平日午前中9時頃(多くの病院で一番混む時間帯)なのにガラガラなのです。紹介状を持って消化器科外来に行っても待合所の椅子は半分も埋まっていません。しかも予約でもないのに30分ほどで名前を呼ばれました。

これというのもあまりの混雑を解消するためにH病院では紹介状が無いと受診できなくなったのです。その代りに病院向かいに新たに初診専用のクリニックを建てて、紹介無しの初診患者はそちらで診る事になったのです。もちろんクリニックで「入院必要あり」と判断された場合は本院のH病院に入院できます。
私の通っていた当時から、混雑解消に「軽症患者はできるだけ近所の開業医(かかりつけ医)に移って下さい、紹介状書きます」とやっていたのですが、埒が明かずにこういったシステムに変更したのでしょう。効果はてきめんで、これなら今通っているM病院の方が混んでいます。M病院も今では地域の中核病院として、かなり遠くからも患者がやってきているので、ずいぶんと混むようになったのです。
※ここまで書いちゃうと地元の人ならどこだか判っちゃいますね。まあ別に個人名以外は伏字にすることも無いんですが、悪いことも書くので一応マナーとしてイニシャルにしてます。

看護師さんたちのスタイルも変わりました。昔は白衣で看護師さんが自分で好きなものを着てよかったと聞いたのですが、今はお揃いのえんじ色のプルトップの制服です。米国の病院のようだと言うとイメージが判ってもらえると思います。
しかしそれ以外は昔のままのH病院でした。いくらか増築もあってレイアウトが変わりましたが、受付や案内のお姉さん、看護師さんたちから受ける雰囲気は昔のままで、懐かしい「ホームに帰ってきた」感があります。

さて、M病院のK先生から行くようにと指定されたのは、40代で今が医師としての円熟期に見える消化器外科のKb先生です。これも紛らわしいイニシャルだなあ(笑。というかK先生とKb先生は2文字目の子音まで同じなので仕方ないです。
Kb先生は非常に人当たりのいい穏やかな先生です。患者の話を最後まで聞いてくれて、それから話し始めるのは非常にいいですね。信頼が置けそうな気がしました。ざっとした話しの後にお腹を見てそれからお尻を見てくれました。お尻は漏便の消化液でただれているので、「あーこれはお辛いでしょう」と同情的。「もう一度詳細なCT検査をしてそれから決めましょう」となりました。M病院でも3月にCTをやっていますが、造影剤を使わない簡略なものだったために、手術前に造影剤を使ってストマから肛門までを重点的に確認したいとの事でした。翌日にCT検査をしてその後もう一度Kb先生の外来に今度は予約で行きます。なかなかすぐに手術とは行きません。

1週間後の外来、Kb先生はCTの映像を見て「これは思っているより大変な手術になりますよ」と言いました。まず、私は全く気づいていませんでしたが、腹膜から腸が飛び出てヘルニアになっていました。そのため腸閉塞の可能性もあったそうです。ちょうど正中(お腹の真ん中、縫った後の場所)の皮膚直下に腸が癒着しているため、かなり時間をかけて慎重な作業が必要になるそうです。また、数度の開腹手術を経ているため、癒着がどの程度か判らず、状況によっては腸が短くなり「短腸症候群」になってしまう可能性も指摘されました。短腸症候群になると今以上に水分の吸収が阻害されますし、栄養も吸収が悪くなるので、今よりQOLが悪化する可能性もあるとの事でした。
私としてはそんな大事の手術になるとは思っていませんでした。前回の2孔の一時ストマ造設手術が比較的簡単にサクサクと終わったので、それをちょっと手直しする程度のものだと思っていましたが大間違い。K先生もそんなに大変だとは言ってなかったじゃないかあ。

しかし、そういった負のリスクをちゃんと患者に説明するのも医師の務めなのです。どんな手術にもリスクゼロはありません。特に開腹手術の場合は、最悪死に至るリスクも結構あるのです。私はリスクを知った上で「それでも手術して欲しい」と言いました。Kb先生も「簡単な手術にはならないかもしれないけれど、最善を尽くします」との事で私の手術が決まりました。
最初のKb先生の受診日が4月下旬、5月には手術を受けたかったのですが、Kb先生のスケジュールの都合もあり、入院日は6月上旬、入院期間は2週間の予定で決まりました。

なお、CTで前立腺に腫れが見つかったので、入院前に泌尿器科を受診しなければいけなくなりました。私は30歳代に尿道狭窄の手術をして以降、小便の出が悪いのでこの手術が終わったら腰をすえて泌尿器も治そうと思っていたのですが、先にそちらに取り掛かることになりました。やれやれ。

投稿者: ibdlife

潰瘍性大腸炎を20代で発病しましたが、既に私も50代。思えば長々とこの病気と付き合ってきたものです。まあ大病しても人生どうにかなるものです。絶望したらそこで終わり、気楽に生きましょう。 人工肛門ですが、旅行好きです。一人でどこへでも行けます。飛行機に乗って海外にも行けますよ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です