だいたいですね、4回目の全身麻酔で開腹手術ってのがおかしいんです。命に関わる病気で手術している人だって、一生の間に多くても2回、せいぜい3回ですよ。4回なんてそうそういませんよ。しかも同じところをチョコチョコ開けちゃ直ししてるんですから。もうさすがにこれで打ち止めでしょう。
今回の手術の目的は4つあります。
1)2孔人口肛門(ストマ)を1孔の永久ストマに作り直し。
2)肛門の閉鎖。Jパウチの削除。
3)腹壁(小腸)ヘルニアの修復
4)以前の手術痕のケロイドの除去
1と2は永久ストマを造設するためのもの。3は事前のCTスキャンで判明したので治さねばなりません。4はオマケみたいなものですが、引きつりもあって醜い手術痕だったのでKb先生が「ついでにこれも治しておきましょう」と言ってくれたのでこれ幸い。これで温泉に行ってもあまり人の目を気にせず済みそう。
もうさすがに慣れましたよ。前夜も熟睡。手術前でも緊張無し。「手術室から呼ばれましたー」と看護師さんが呼びに来たので「うっしゃ、じゃあ行くかあ!」と颯爽と点滴棒をガラガラと押して自分の足で向かいます。(どこが颯爽じゃ)
一応先生の事前説明では、お腹を開けての腹部の癒着状況次第だけど、早ければ2~3時間、でももしかしたら半日仕事になるかもねとの事でした。
手術室に入ってスタッフの皆さんに「よろしくおねがいしまーす」と言いながら、「意外と狭い手術室だなー」とか思ってたりして余裕綽々(のはず)。いつもと同じく体を丸めて背中に鎮痛剤用の管を入れて、仰向けで色々機器の取り付け、マスクを付けられて「じゃあ流しますよー、ゆっくり深呼吸してくださーい。1、2、3・・・(はい落ちたー)」。
「終わりましたよー、判りますかぁー?」と先生に起こされます。それにしても麻酔と睡眠は全く感覚が異なります。睡眠は寝た時点から朝起きるまでの時間感覚がありますが、麻酔はそれが全くありません。麻酔で「落ちた」次の瞬間に目が覚めます。(私の経験では)夢も見ません。
それにしても今回は術後の体が結構苦しい。初回の手術の時の感覚に近いです。手術室をベッドに載せられて出た所に家内がいたので「何時?」と訊くと「3時半」との事。うわあ、6時間以上の大手術じゃないか。術後の体調は手術時間に比例して悪いんだろうなあ。
後で先生に聞くと、やはり癒着が酷くて時間が掛かったそうです。癒着を外しながら一旦小腸を出して入れ直したそうです。そのためかお腹全体に落ち着かないような違和感で鈍痛があります。激痛的なものは背中から入っている鎮痛剤があるので今は大して感じません。
予定では術後一晩ICUに入るはずだったのですが、満員だったのか病室に直接戻りました。結構手術直後は一杯機械が付いてますし、血栓防止用の足裏揉み機(名前知らないので)がウィーン、ブシューとかうるさいので同室患者に迷惑なので気が引けます。
でもこの時点では「この血栓防止の奴が足裏のツボ押してくれれば気持ちいいのにねー」などと軽口を飛ばす余裕がありました。もうこれ以上手術なんかしないし、この苦しさを乗り越えれば終わりだねと思ってましたから。